坂の上の雲 司馬遼太郎 文春文庫全8巻
坂の上の雲、言わずと知れた司馬遼太郎の代表作中の代表作。一度社会人駆け出しのころ読んだが、その時に感じたことは、物事を成就するには根拠の無い精神論ではなく合理主義的思想と戦略戦術は現場に近い場所でたてるべきと。あれから時代を経て、日本が坂は坂でも下り坂を下ている令和、果たして再読してどのように感じたか。時代の空気というか酸素濃度が明治と令和では明らかに異なっているように思えた。あの時代の濃い濃度が日本人をアクティブに動かし頭をフル回転させていたのではないかと思えた。いまの日本人は薄い酸素濃度に慣れてしまい、あのときと同じ空気を吸えばおそらく皆が息苦しくなったのでは?と思われた。